某日。そのギターとは、時間潰しにとふらり立ち寄ったブックオフで偶然出会った。
エスカレーターであがり、あがり、あがり。商業施設の上の階にあるブックオフに到着すると、まずは楽器のコーナーへ。これはたとえ立ち読み目的で訪れたとしても変わらない、一種の儀式のようなものである。というか、正式に名前がついていないだけで、これはもしかすると病気なのかもしれない。
楽器のコーナを遠目に見たとき、ひときわ目を引くギターがあった。それが「Fender Catalina(花子)」だった。
濃いめのグリーンに塗装されたボディはとても小ぶりで、にもかかわらずの存在感。近づいてみる。見る。いわゆるフェンダーヘッドから伸びるネックは少しだけ短く、先述の小ぶりなボディにたどり着く。木目の見える塗装は、ネック及びヘッドの裏までしっかり。
しばらく眺めたあとで、店員に声をかけて試奏スタート。
ジャララ〜〜ン。
・・・実に安っぽい音がする。こもったような、高音と低音がまるで仕事をしていないような、いわゆる安っぽい音がする。ネックはおろか、ボディも鳴らない。奏でたときに体にくるものがない。
いろんなコードを試してみる。ローコード、ハイポジション、ジャズコード、などなど。どれもいまいち感が抜けない。うーーん。
アルペジオを試してみる。。。
お、なるほど、こちらはそれほど悪くない。安っぽい音であることに変わりはないが、さっきより弦同士、音が喧嘩をしていないような感じ。それでも「多少マシ」という程度ではあるが。
ならば、とソロっぽいフレーズを弾いてみる。
あ。
これはちょっと好みかもしれない。
もちろん、安っぽい音であることに変わりはない。しかしながら、そのチープさがいい方向に作用している。これはこれでいいぞ!という感じ。んーー、伝わるか、このニュアンス。「こういう音を出したい気分もあるよね」とでも書けばいいのか。うーーーーん。
よくも悪くも音が伸びすぎず、響きすぎず。とにかく、この感じ、なんとなく気持ちいい。
安いし、小ぶりだし、生音の限界はしれたもの。それでも、この安っぽい音の存在意義はある。このギターに関して言えば、ソロフレーズなら十分活躍できそうだなと思った。
衝動的に「ほしい」と思ったけれど、価格は1万ちょい。同じ額を使うならいまはギターよりもオーディオインターフェイスを優先するべきだと我にかえり、未購入に至る。
ちなみに、Youtubeで試奏動画を探してみたけど見つかりませんでした。残念。。
【2020年11月5日 追記】
形の似たアコギを見つけました↓
辺境の日曜音楽家。フトアゴとレオパ。鈴木絢音さん推し。※ゲーム実況はやっていません|https://lit.link/lrfr