SLOTH-STUDIO

【スロウスタジオ】雑記、音楽、ゲーム、フトアゴヒゲトカゲ etc…/このサイトは広告・アフィリエイトを含みます

カウンターしかない天ぷら屋の「昼天定食」

      2024/03/08

午前中にスタートした打ち合わせが長引いて、昼ご飯を食べるためにお店探しを始めたのは14時すぎ。この時間帯、ほとんどの飲食店はランチ営業を終えて中休みに入っている。しばらく彷徨っていると、昼営業中の天ぷら屋にたどり着いた。

店内はカウンターのみで、先客は4人組とお一人様でご老人オンリー。カウンターの中には、黙々と天ぷらを揚げる大将と接客担当のおばちゃんの2人。昼から天ぷらはちょっと贅沢な気もするが、長い打ち合わせを終えた自分にご褒美を与えてもバチは当たらないだろう。何より、この雰囲気でまずいことはない、はず。

店先の看板に“数量限定”と書いてあった「昼天定食」がまだあるというのでそれを注文。期待が高まるこちらをよそに、カウンターの中が少し騒がしくなる。なんだか焦っているおばちゃんと、少し語気強めに「大丈夫ですから」と言って天ぷらの準備を進める大将。…あれ?この感じ、もしかして「昼天定食」が問題あったか…?

数分後、ご飯や味噌汁がそろった卓上に魚2種、野菜4種の順で無事に天ぷらが登場。ホッとしながら最初に口に運んだ尻尾付きの白身魚(名前は忘れた)の天ぷらがうますぎた!品のある薄い衣で外がサックサクなのはもちろんのこと、身が驚くほどにフワフワなのだ。特に天ぷらをたくさん食べてきた人生ではないが、今まで食べた白身魚の天ぷらでこれが一番うまい。

白身魚の天ぷらってこんなにうまいのか……。それならば今後の人生ではできるだけいろんな店で白身魚の天ぷらを食べてみたい!…などと少々突飛な考えがよぎるほどに感動。そんな調子で黙々と天ぷらに向き合っていたら、あっという間に完食してしまった。

会計時、おいしかった旨を接客&会計担当のおばちゃんに伝える。おばちゃんの愛嬌の良さに「これはいける」と思い、「昼天定食」を注文したあとに揉めていた件を尋ねてみた。すると実は、私が注文した時点ではすでに今日の「昼天定食」は終わっていたのだそう。注文をとったあとで大将にそれを指摘されておばちゃんは慌てていたと。しかし「注文を受けた以上は作ります、大丈夫ですから」と大将が急遽ありもののネタで対応してくれた、ということだった。

うまい天ぷらと温かい人情がある店。そりゃあ老人たちも集まるはずである。ありがたやありがたや、また近いうちに来よう。この店に導いてくれた“長引いた打ち合わせ”にも……と感謝しかけたところで、やっぱり打ち合わせは時間通りに終わってほしいなと我に返った。

 - 雑記 , ,