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ブルース(BLUES)の歴史と地域ごとの特徴・種類について勉強

      2023/07/13

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『THE BLUES Movie Project』より

アメリカ音楽を語るうえでかかせない音楽「BLUES」について深く勉強……する前の準備運動感覚で今回は基礎的な部分を勉強します。

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概要〜ブルースとは

アフリカ系アメリカ人たちから発生した音楽のひとつ。1865年の奴隷解放後、食事・睡眠・労働以外の自由な時間を得た黒人たちが神ではなく自分たちについて歌いだしたのが始まりとされています。彼らが奴隷時代に労働しながら歌っていた「ワーク・ソング」「フィールド・ハラー」と呼ばれる音楽がブルースの起源となっているようです。

ワーク・ソング

労働時のかけ声のような感じで歌われていたもの。木を切る、船を漕ぐなど大勢での作業時にリズムをとるために用いられていたようです。

基本は、音頭を取る一人がワンフレーズ歌い、その後、その他のおおぜいが合唱で応え、そのタイミングで、つるはしを振り下ろしたり、なんか引っぱったりする、というわけです。

【出典】戦前ブルース入門(http://hayashimasaki.net/blueslecture/contents.html)

これは音頭。。日本にもあるぞ、音頭! もしかして日本民謡における音頭も労働時に歌われていたのが始まりなのかな?

フィールド・ハラー

こちらも労働中の黒人たちが歌っていたもの。独特なメロディはブルースの原型ともいわれています。リズムのワーク・ソング、メロディのフィールド・ハラー、ってな感じでしょうか。

野良仕事、伐採の仕事、堤防工事の仕事などで個人が一人で歌う歌でもあり、一人で畑を耕しながら、草を刈りながら、退屈でおもしろくない労働から気を紛らすために、あるいは孤独を紛らわすために歌われていたりもした。

【出典】Rock’n’Blues(http://1blues2rock.sannasubi.com/index.html)

こうして聞いてみると、ブルースは「ワーク・ソング」と「フィールド・ハラー」の間の子であることがしっかり感じられますね。

種類

ひとくちにブルースといっても、実はいろいろな種類が存在しています(ほとんどは地域差の話)。ざっくり調べてみましたので以下を見ていきましょう。

カントリー・ブルース(19世紀後半〜1940年代)

おそらくこれがすべての基本形なんじゃないかと思われるスタイルです。おおまかにいえばアコースティックギターを用いて歌われるもの。で、この「カントリー・ブルース」は地域によって特徴が微妙に異なってくるようです。

ミシシッピ・デルタ・ブルース

ミシシッピ川とヤズー川に挟まれたデルタ地域で生まれたもので、ブルースにおいて最も有名かつ重要な地域でありスタイル。白人文化をほとんど受けることがなかったことから、アフリカ民族色の強いソウルフルな歌い方や曲調が特徴となっています。

代表的なブルースミュージシャンとして、デルタ・ブルースの創始者(厳密には違うようですが・・・)ともいわれるチャーリー・パットン、伝説のブルースマンとして広く知られるロバート・ジョンソン、そんなロバート・ジョンソンに影響を与えた男サン・ハウスなどがあげられます。

テキサス・ブルース

聞いた感じ、なんとなくミシシッピ・デルタに比べると泥臭さは薄まっている感じ。洗練されてる、とまではいかないですが、歌とギターのコール&レスポンスがはっきりしています。

代表的なブルースミュージシャンとして、生まれながらにして盲目だった戦前ブルースの巨人ブラインド・レモン・ジェファーソン、楽器は弾かず歌のみで勝負していたテキサス・アレキサンダー、1940年以降ならライトニン・ホプキンスなど。

イーストコースト・ブルース

黒人差別の緩かった地域柄、先にあげた地域に比べて最も白人文化(音楽)の影響を受けているとされるブルース。軽快でポップ、ブルースのいわゆる12小節ルールが守られていて聞きやすい印象があります。演奏技術もかなり高そう。この地域のブルースがのちのフォークソングの演奏スタイルに影響を与えているとか。

代表的なブルースミュージシャンは、12弦ギターの名手ブラインド・ウィリー・マクテル、ラグタイムブルースの凄腕ギタリストブラインド・ブレイク、いろいろなスタイルで演奏できたとされるブラインド・ボーイ・フラーなど。

シティ・ブルース(1920~40年代)

仕事を求めて北部(都会)にやってきた黒人らによって、カントリーブルースよりも白人音楽の影響を取り入れたスタイルでブルースが生み出されます。伴奏にピアノが登場するのもポイント。カントリーブルースを商業的にエンターテインメント化させたもの、ってな感じでしょうか。 かなり聞きやすくなってます。

女性シンガーがジャズバンドやピアノをバックに歌うクラシック・ブルースなるスタイルもあったのですが、こちらは次第にジャズの女性ボーカルもののジャンルに取り込まれていったようです。

ちなみに、世界初のブルースのレコードはこのクラシック・ブルースに分類される、メイミー・スミス「クレイジー・ブルース」なんだそうです。1920年録音。これ、すごく好き。

シカゴ・ブルース(1950年代初頭〜)

どこの国でもいつの時代でも、人間は無い物ねだり。洗練されたもの(シティブルース)が流行ると、またしても南部のブルースにあった泥臭いスタイルが復活してきます。そうして生まれたのが、ミシシッピ・デルタ・ブルースのスタイルを電気化したシカゴ・ブルース。都会で生まれたとは思えないくらいに泥臭い。代表的ミュージシャンはマディ・ウォターズハウリン・ウルフなど。

アーバン・ブルース(1940〜50年代)

ジャズからの影響を強く受けたブルース。シティ・ブルースよりも洗練された大人音楽なイメージです。ブルースに初めてエレキギターを取り入れたとされるテキサス出身のT・ボーン・ウォーカーなどが代表的です。

モダン・ブルース(1960〜80年代)

シティ、シカゴ、アーバンからの流れを組んだモダン・ブルース。B.B.キングアルバートキングフレディ・キング(=通称「三大キング」)などを含む、いわゆる現代のブルースの総称です。一般にはリズム&ブルース以降を指すようですね。

ここまで来るともはやブルース・ロックであり、ブルースをルーツに持つとはいえロックンロールと同様にもはや別ジャンルに感じられます。※この時代にはすでにロックンロールもロックも誕生しています

最後に

今回は駆け足気味でブルースの歴史を過去から現代へ向かって辿ってみました。本当はラグタイムブルースとかジャンプ・ブルースとか、もっといろいろと種類があるらしいんですが、そんなのぜんぶやってたらキリがないのでこれくらいで許してください。。

まだまだ勉強が必要ですね。ひとつの記事ではとてもじゃないけどまとめきれないくらいに歴史があります。ここで紹介している各ブルースについてもそのうち掘り下げてみたいですね。

ちなみに、個人的に好きなブルースシンガーはミシシッピ・ジョン・ハートです。名前の通りミシシッピにいながら、上記のミシシッピ・デルタ・ブルースのスタイルには当てはまらない穏やかな歌とギターが特徴のブルースシンガーです。

ボブ・ディラン高田渡など、多くのミュージシャンに影響を与えているすごい人!

ブルースの箸休め的にも聞ける雰囲気のブルースなので、こちらもよかったら聞いてみてくださいませ。

参考サイト

※順不同、敬称略

ブルースのPower Blues

ブルースの誕生

bluesfan.jp

戦前ブルース入門

ブルース用語辞典1

戦前ブルース音源研究所

Rock’n’Blues

 

 

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