最近お気に入りの音楽アルバム5選(Red Box/細野晴臣/高田漣/濱口祐自/Mississippi John Hurt)
本日より20代最後の年に突入しました、すずきひろたと申します(お祝いお待ちしております)。
お盆前ということで仕事がバタついておりまして、ロクにゲームもできていないのですが、その代わりにとでもいうように音楽を聴く時間が増えています。
ということで今回は、疲れを癒やしたいとき、もしくは作業用BGMとして最近好んで聴いているお気に入りのアルバムを5枚紹介します。
民族的なアプローチの強いアルバムに偏っているのはご愛嬌。
なんとなくそんな気分なのです。
Red Box『THE CIRCLE & THE SQUARE』
「自分に影響を与えたアルバム10枚」みたいなテーマで誰かが書いていたブログ記事をTwitterで偶然見かけて、そこで紹介されていたのきっかけに知った1枚。
民族音楽×シンセポップみたいなかなり独特の音楽性で、1曲目の「For America」からさっそく不思議な世界に連れていってくれます。
心を病んだときに出合った音楽なのですが、これが1枚を通してヒーリング効果がすごくて(※個人の感想です)、しばらく聞き続けている次第。
なかでも特に惹きつけられたのが、9曲目の「Saskatchewan」。
収録曲のなかで一番民族音楽感というか、大地(地球)の音楽感が強い。
イントロから鳴り続ける「ドドッドドッドドッ」という大地の鼓動のようなバスドラの上を、鉄琴のような音色が妖精のように優雅に舞って、さらにシンセサウンドがその場所に漂う空気のように全体を包み込む。
英語に疎いのでなんて歌ってるのかはまったくわかんないのですが、要所要所で発せられる「Saskatchewan(サスカチュワン)」という言葉だけしっかりと聞き取れる。
どんな意味なんだろうと思って調べてみると、カナダにある州のことなんですね(サスカチュワン州)。
この曲を聞くと、砂漠とも岩場とも言えるような何もない大地がマジックアワーに包まれているようなイメージが頭に浮かぶんですけど、実際のところサスカチュワン州ってどんなところなんだろう?
その次の曲、10曲目「Leaders In Seventh Heaven」がいきなりイギリス色が強くて、その振り幅の広さも含めて好きになったアルバムです。
細野晴臣『MEDICINE COMPILATION from the Quiet Lodge』
民族音楽を聞いてるとどうしてもこのアルバムに帰ってきたくなります。
疲れてるときなんかは特に、もう問答無用でこれにたどり着いちゃう。
スピーカーで大音量、もしくはヘッドホンで聴き始めれば、1曲目「LAUGHTER MADITATION」から現実世界とオサラバできてしまいます。
ミニマルなサウンドに8分間たゆたっていると続いて聞こえてくる、2曲目「HONEY MOON」が最高。
午前4~5時ごろ、まだ空は暗い大地にひとりポツンと立って自然と一体化していくようなイメージが広がります。
パッと見はまっくらだけど、目を凝らせば木々の揺れや動物たちの動きが見えるような。
夜明け前ならではの温度と湿気、世界がまだ目覚める前。
浮かんでくるイメージの世界の時間とは逆行しますが、この曲を聴きながら眠りにつけたら幸せだと思います。
さすがに2曲目だから眠りにまでは至らなくて、どれだけ幸せなのかはまだ試せてはいません。
巡り巡って10曲目「AMBIENT MEDITATION #3」でクールダウン、現実世界に帰ってくる準備。
そしてまた1曲目を再生して……なんてループもよくある話。
高田漣『ナイトライダーズ・ブルース』
ここのところずっと細野晴臣さんのバンドで音を奏でている人たちが寄ってたかって参加しちゃってるとんでもないアルバム。
そうなると当然サウンドもブルース、カントリー、ブギといったオールド系・ルーツミュージック系になりまして、耳がとっても心地良いのです。
声は違えど、氏の父・高田渡のような節が見え隠れする朴訥な歌い方はシンプルなサウンドにぴったり。
日本やアメリカのヒットポップスとはまったく違う方向に進んでいて、でもそれは完全に私の吉方位なわけでたまりません。
程よく力の抜けた男気があふれる表題曲「ナイトライダー」もいいんですけど、個人的にはブルースの定番フレーズ「MOJO(モジョ)」と古典落語「文違い」と絡めて一曲に仕上げてしまった8曲目「文違い」がお気に入り。
ブルージーなスライドギター、色気があって良き良き。
濱口祐自『Going Home』
色気どころかちょっと暴力的な勢いすらも感じる男気スライドギターで幕を開けるのがこちらのアルバム。
和歌山県のディープサウスと称される地・那智勝浦が生んだリアルブルースマンが奏でるブルースギターは、上記の高田漣さんのブルースギターとはまったく性質が違います。
こっちのほうがもっともっと泥臭いというか、ちょっと乱雑さもあって、でもそれが完全に味になってるんです。
ベテラン落語家の”しわがれ声”のような良さ、と書けばニュアンス伝わるでしょうか。
このアルバムの前にメジャーデビューアルバム『from KatsuUra』があるんですけど、なんとなく2枚目のほうを好んで聴いてしまいます。
ボトルネックがギターのネックにぶつかった”コツコツ音”が聞こえるブルースもいいんですけど、それとは真逆を行く繊細な楽曲も超魅力的!
特に14曲目「Gymnopedie No.1」は息を呑む美しさ。
聴いてもらえたらわかるんですけど、この曲には「ジーーーーーー」っていうノイズだったり、演奏してる濱口祐自さんの呼吸音やツバを飲む音もしっかり録れてしまっているんです。
……が、不思議とそれが気にならずに聴けてしまいます(※個人差があります)。
極限にまで研ぎ澄まされた集中力までがパッケージされた音、これってすごくないですか?
この演奏をした人が、同じ日(もしくは前日or翌日)に1曲目「Happy Birthday,Mr.Cameraman」を弾いていたのかと思うと本当に恐ろしい……。
話は少し脱線しますが、ここ数日はこの人の影響でインストギターの練習をしています。
とりあえず民謡や童謡あたりを我流で。
そのうちどこかで披露できれば(Youtubeかな?)。
Mississippi John Hurt『Essential Blues』
最後はこちら、私の永遠のギターヒーロー、ミシシッピ・ジョン・ハート。
伴奏と主旋律を同時に奏でる技巧派ギターは、ブルースはもとより、フォーク界隈にもかなりの影響を与えたといわれています。
ブルースというとどうしても荒々しさや悲しさみたいなのを思い浮かべがちですが、この人の音はギターも歌も優しいです。
それ故に「これはブルースじゃない!」なんて意見もあるみたいですが。
>ブルース(BLUES)の歴史と地域ごとの特徴・種類について勉強 | SLOTH-STUDIO
上記のアルバム『Going Home』に「Thank You, Mississippi John Hurt」という曲があって、それを耳にして本物を聴きたくなったんで今回の5枚に入り込んできました。
ジョン・ハートのベスト盤はいくつもあるんですが、今回は60年代の白人フォーク・リバイバルで再発見されるきっかけとなった「Avalon Blues」、代表曲「Camdy Man」「Stack O Lee」も入ったこちらを紹介しておきます。
ロバート・ジョンソンみたく全曲集があればいいのに。
まとめ
知らない人による紹介で始めて出合える音楽もいっぱいあるので、こういう記事が世の中にもっと増えればいいなあと思います。
それではみなさま、良きミュージックライフを!!
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