【コロナ後遺症】大学病院で肺機能検査をしてきた話

person holding blister pack 雑記
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2023年8月29日に新型コロナウイルス感染症にかかった妻。5日後に熱は下がるも、そこから罹患後症状(いわゆる後遺症)との戦いが始まった。

コロナ後遺症によるものと思われる症状の一つに、「今日はわりと元気」と思える日でも少し歩いただけで息苦しさを感じるなど、肺機能に異常があるとしか思えないものがある。

大学病院で検査してもらうことにした

しかし、クリップのような器具を指先につけて血中酸素濃度を測っても、何度測ってみても正常値しか出ない。息苦しさを感じているときでさえ、結果は変わらない。
それでも、妻には息苦しいという症状が出ているのだから、その結果にはどうしても納得がいかない。数値だけは正常。症状は異常。
日常生活にも支障が出ているので、いっそのこと障害者認定を受けられないかと考えた妻の希望で、かかりつけ医に紹介状を書いてもらって、大学病院で検査をしてもらうことにした。もし障害者認定されたら、この症状を踏まえたうえで就業可能な働き口を見つけられるかもしれない。
働けない(=お金を稼げない)のに、治療費は発生し続けている。収支のバランスが狂っている。狂い続けている。家計は苦しくなる一方だ。

肺機能を検査した結果

血液検査はかかりつけ医で検査済みだったことから、大学病院ではとりあえず「肺機能に異常がないか」をしっかり調べてもらうことになった。専用の機械を使って、大きく息を吐いたり、ゆっくり息を吐き続けたりするアレだ。詳しくはググってください。
待ち時間などあわせれば病院滞在時間は4時間半ほど、検査自体にかかった時間は30分程度。検査後、妻はふらふらになっていた。
呼吸がしんどい状態で肺に負荷をかける検査をしたんだから、この1年半の体調から考えれば疲れ果てるのも無理はない。
しかし、検査結果は「異常なし」。肺機能の数値はどれもこれもが正常値を叩き出していた。
…え?

どうしたらいいのかな

検査後、先生から聞いた話は以下の通り。
  • コロナ後遺症患者のなかには、肺機能の数値に異常が見られる人もいる。
  • ただ、あなたと同じように数値上では異常が見られない人も多い。
  • 数値に異常がないこと自体は本来喜ばしいこと。
  • 検査結果の数値に異常がなく、またこの1年半の期間で少しでも症状がよくなっている傾向があるため、日々のリハビリで気長に少しずつ回復させていくしかない。
  • クラッシュが起こると治りが遅くなるので避けるのがベター。
  • 日々のリハビリとしては、例えば家事ができるようになってきているのであれば、その時間を少しずつ伸ばしていくとか。負荷がかかりすぎないように注意。
なんて日だっ!
もちろん、先生を責めるつもりは毛頭ない。先生はとても親身になって話を聞いてくれた。ほかに障害者申請をするにあたって審査基準を満たすような症状はないか、罹患後症状ではなくワクチン後遺症だったりしないか、など。残念ながらワクチンは副反応があまりにキツすぎたので、夫婦そろって2回しか打っていない。
責めるべきは、このような現実があるにもかかわらずコロナ後遺症に対して保障制度をいまだに設けていない国だ。世の中にはもっとハードな後遺症に悩まされている人だっている。その人たちがどうやって毎日を暮らしているんだろう。きっと非経験者には想像できない大きな苦労をしていると思う。
「数値に異常がないこと自体は本来喜ばしいこと」と先生は言ってくれた。もちろんそれはそうなんだけど、素直にそう思えるのは日常生活に支障がないからであって、今はとてもそれを喜べないし受け入れられない。
むしろ、数値に異常が出てくれたほうがよかったくらいまである。数値がどうであれ、コロナ以前には感じなかった症状に悩まされているのだから。
「日々のリハビリで気長に少しずつ回復させていくしかない」と先生は言う。ではその期間の生活費はどうすればいい?妻は働けないのだ。お金を稼げないのだ。私は働いているが、二馬力を前提にまわしていたから、一馬力の質を上げたところで限界はある。
健康保険と年金を半ば強制的に徴収してきたこの国には、コロナ後遺症で働けなくなってしまった国民の生活を支えてくれる保障は存在しない?
コロナ後遺症は医学的に解明されていないからないもの、とされている現状に納得がいかない。あるんだよ、コロナ後遺症はあります。

先生いわく、障害者手帳と障害者年金は難しい

妻の症状では、障害者認定も障害者年金も審査は非常に難しいだろう(平たく言えば通らない)というのが先生の答えだった。もっと重度で、治る見込みのないような病気や症状でなければ審査はほとんど通らないという。
コロナ後遺症だって、治る見込みがあるとは言い切れないのにね。絶望に似た感情。さてどうしよう。
というか、そもそもの話なのだが、「日常生活に支障が出ていても検査して数値に異常がなければ異常なし」という判断はどうなんだろうね。
科学的に証明できなければコロナ後遺症の存在は認められないってこと?
新型コロナウイルスに感染したことによって、その後遺症としか思えない症状に悩み苦しんでいる人は確実に存在するというのに。まったく科学は偉いんだなあ。
 
ちなみに、日本年金機構の公式サイトには「障害基礎年金に該当する状態」についてこんな記述がある。
障害の程度2級
 
必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできても、それ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方が2級に相当します。
 
【引用】障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構|https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html
限りなくこれに近いんだけどなあ。
でも、超近場とはいえスーパーには買物に出てるから「活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方が2級に相当します」に相当しないのかな。でも、これをするには「必ずしも他人の助けを借りる必要」はあるんだけどな。
そろそろ傷病手当の支給期間が終わる。

最後に

大学病院で検査した翌日、妻は1日ダウンしていた。起き上がってなにか作業することは限りなくできない。いわゆるクラッシュ症状だ。
先生は「クラッシュはしないほうがいい(しない程度にリハビリをするべき)」と言っていたが、検査しただけでクラッシュ症状が出るんだから、やっぱりこれは異常だとしか思えないよ。
妻の場合、クラッシュ時は「息苦しさ」「ひどい倦怠感」「めまい」といった症状が出る。起き上がって何かする、のは負荷がかかりすぎて無理になる。最近はほとんどなくなったが、この日ばかりは「頭の熱さ」も少々あったらしい。あと「頭痛」。もともと頭痛持ちではあったけど、気圧の変化による頭痛は以前よりも発生率が高くなっている。
 
いつになったらコロナ後遺症という長ーいトンネルから抜け出せるんだろうね。
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