受信メッセージ「もういちど うち に かえれる なら」

はろー　はろー　おげんきですか？

今日は僕の『ひとりぼっち惑星』のアンテナが受信したメッセージのなかから、もっとたくさんの人に届いてほしい言葉を紹介します。

送信された方へ、ちゃんと届いてますよーー。

 

 

もう一度うちに帰れるなら

ぼくは　じよん

いみんせん　かとりーな　の　じゅしんせん

さんいちご　の　パイロット　です

かんないにんしきばんごう　は　よんよんにさんごななきゅう

えっと　なにから　はなしたらいいのかな

すこし　あたま　が　こんらん　していて

ななじゅうにじかんまえ

ぼく　は　いつもどおり　ぱとろーる　に　でた

かんたんな　しごと　の　はずだった

ぱとろーる　かいし　から　さんじかんご

とつぜん　じゅしんせん　の

こんとろーる　が　きかなくなった

ぼせんへの　つうしん　も　たたれ

じゅうろくじかんご　には　にくがん　で

かくにんする　ことすら　できなくなった

いろいろ　ためしてみたが　つかえたのは

この　だれもいない　ちきゅう　へ　むけて

めっせーじ　を　おくる　むいみ　な　きのう　だけ

せんない　の　さんそ　は

たぶん　もうすぐ　なくなる

かなしいけれど　ぼく　は　しぬ　らしい

だれも　きかない　だろうけど

なにも　することが　ないから

ゆいごん　でも　のこそうと　おもう

ぼく　は　かとりーな　で　うまれた

ぼく　の　ちち　も　はは　も　そふ　も　そうだ

ちきゅう　を　たって　なんびゃくねん　たったか　なんて

もう　だれも　かぞえては　いない

こんな　ふゆ　の　なか　だけ　の

せまい　せかい　で　いきて　しぬ　だけの

じんせい　なんて　むいみ　だと　おもっていた

でも　こうして　し　を　まえに　すると

なんて　ばかだったんだろう　と　こうかい　している

つま　も　むすこ　も　この　ひろい　うちゅう　の

どこ　を　さがしたって　そこにしか　いない　のに

へや　を　でるとき

つま　と　ささいなこと　で　けんかした　こと　を

まだ　あやまって　いない

むすこ　に　せがまれた　のに　つかれて　いるから　と

あそんで　やらなかった

ななじゅうにじかんまえ　に　もどれるなら

もういちど　うち　に　かえれる　なら

もっと　うまく　やるのに

もっと　だいじ　に　するのに

だれも　いない　だろうけど

もしも　この　めっせーじ　が　とどいている　なら

かぞく　を　だいじ　に

えっと　そうだな

まいにち　あいしてるって　つたえる　ように

それじゃ　このへんに　しておこうかな

そうしん　ぼたん　を　おす　まえ　に

いしき　を　うしなってしまうと　いけない

ぼく　には　もう　にどと　できない　から

ぼく　は　ねむろう　と　おもう

かぞく　の　ゆめ　が　みられたら　いいな