8月に「2025大阪・関西万博」へ行くことになった。
何かとマイナスな話題が多いのでなんともいえないが、行くとなれば前向きに楽しみたいところ。
でも、せっかく大阪に行くんだったら「住吉大社」(大阪市住吉区)にお参りしたいなあ。
ならばその前に、地元・福岡の「住吉神社」にお参りしておくべきだろう。
ということで、大災難が起こると予言されていた2025年7月5日の朝、筑前國一之宮「住吉神社」(福岡市博多区)へお参りに行ってきました。
福岡に住んで20年近く経ちますが、そういえば住吉神社には一度もお参りしたことがなかった。
これはいい機会。
住吉神社

▲住吉神社の正門(参道)は西側(キャナルシティ博多側)にあります
公式サイトによると社務所は朝9時に開くらしい。
暑い時間帯を避けたかったので午前中の参拝を、と行動してみたが近年の夏を舐めてはいけない。
昼間よりはマシなんだろうけどすこぶる暑く、参拝を終える頃にはちゃーんと汗をかいていました…。

▲木々に覆われた参道。天気は曇りだけど、日陰でもじんわり暑かった…
住吉神社御本殿
暑いっていってもさ、ざーざー雨降りじゃなかっただけいいじゃない。
まずは本殿にお参り。
現在の社殿は黒田長政が寄進・再建されたものとのこと。
「住吉造」という最古の神社建築形式が用いられており、国の重要文化財に指定されています。
すげえ、知らなかった…。
御祭神は住吉三神(底筒男命、中筒男命、表筒男命)、天照皇大神、神功皇后。

▲本殿前に茅の輪
時期も時期ということで、本殿前に茅の輪が設置されていました。
特に混雑もしていなかったので左→右→左しておきます。
よし、これで今年の夏は大丈夫だな。

▲石畳の脇に風鈴。夏は毎年あるのかも
その後、社務所で御朱印をお願いし、待っている間に境内をまわることに。
「八社巡り」といって、敷地内の摂社・末社すべてにお参りをすると幸運が訪れるそうです。
せっかく来たのだから、参らない手はない。
船玉神社、志賀神社、人丸神社、菅原神社

▲右から「船玉神社」「志賀神社」「人丸神社」「菅原神社」
社務所の横(本殿の北側)には、猿田彦大神を祀る「船玉神社」、綿津見大神を祀る「志賀神社」、柿本人麻呂を祀る「人丸神社」、菅原道真を祀る「菅原神社」が並んでいます。
現地では気づかなかったんですが、この4社、写真で見ると「船玉神社>志賀神社>人丸神社=菅原神社」とお社の大きさに違いがありますねえ。
来月大阪に行く、ということで旅行安全のご利益がある「船玉神社」から順に手を合わせていきました。
荒熊白髭稲荷神社

▲「荒熊白髭稲荷神社」。手前には狛狐と複数の朱塗り鳥居がある
先ほどの4社と本殿の間あたりに位置するのは、豊受大神(宇賀之御魂神)を祀る「荒熊白髭稲荷神社」。
由緒書きによると、こちらは全国的にも珍しく「伊勢神宮」の外宮から勧進された豊受大神をお祀りしているとのこと。
社名の「荒熊」は豊受大神の雄々しく力強い御霊験を、「白髭」は大らかさで仁慈の徳を表しているそうです。
豊受大神は一般的には女神とされていますが、「伊勢神宮」外宮では男神とされているから「荒熊」で「白髭」ということ?

▲朱塗り鳥居の横には、御神木「一夜の松」

▲ここにも風鈴がありました
のぞき稲荷

▲のぞき稲荷(背面)。写真で見返すと、なんというか、ダグトリオっぽい…
「荒熊白髭稲荷神社」の隣には唐突に大きな岩(磐座?)が3つあり、そのうちのひとつは「のぞき稲荷」となっています。
これらの大きな岩は「奇岩(くしきいわ)」というらしく、小さな鳥居越しに岩の中を覗き込み、祀られた鏡に自分を映しながらひとつ願いをかけると祈りが届くのだそう。
岩の中には鏡の両脇に2体のお狐様もいらっしゃいました。
だいぶ良くなってきたとはいえ、
まだ日常生活に支障をきたし続けている
妻の「コロナ後遺症」が少しでも早く治まるように、とお願いしておきました。

▲のぞき稲荷(正面)

▲のぞき稲荷の近くにある大きな岩(奇岩)①。台地っぽい

▲のぞき稲荷の近くにある大きな岩(奇岩)②。こちらは「のぞき稲荷」と岩の質感が似ている
三日恵比須神社

▲弁財天のように水に囲まれた場所に鎮座(観光客がいたのでこの角度からしか撮影できず)
お次は少し離れて「三日恵比須神社」。
約1800年前の創建とされる「住吉神社」に対し、こちらは昭和24年創建とかなり新しい神社なのですが、創建までの流れがまるで昔話のよう。
本当に70数年前の出来事なのか!?と驚く。
今は昔、昭和二十一年元日、当時の住田町(現・美野島一丁目辺)在住の藤井吉太郎氏が、毎年の事として那珂川の河原より初日の出を拝まれていた時、簑島橋の橋杭に古めかしい木の小箱が寄り付いていたのを同士が掬いあげた処、箱には恵比須さまの神様が納められておりました。
思わぬ拾い物に「これは勿体ない事だ」と家に持ち帰り、お祀り申し上げた処、様々な目論見が不思議に成就したり、宝籤に当選する等、多くの御神徳を頂いたようです。
この様に御神徳はあまねく広まり、福岡市内はもとより、田川・筑紫などの近郊から「福」を求めてお参りする方があとを断たなかったようです。
恵比須さまを個人で独占する事は申し訳ないと思い、昭和二十四年一月三日、此処にお祀り申し上げる事になりました。現在も「福」を求めて市内外より多くの善男善女のお参りがございます。
【引用】「住吉三日恵比須の由来」より
一月三日にお祀りすることが決まったから「三日恵比須」なんですかね?
福をおすそ分けしていただけないでしょうか、とお参り。
三日恵比須神像の顔に触れると「家内安全」、腹に触れると「病気退散」、鯛にふれると「金運」、腕に触れると「技能向上」のご利益があるそう。

▲笑顔の恵比須神像
……もちろん、全箇所に触れておきます。
「金運」にだけ“上昇”とか“向上”といった名詞が添えられていないのが少し気になりますが…。
吉田さんは宝くじを当てているそうですから、きっと「金運」は上がるでしょう!
少彦名神社

▲本殿から一番離れたところにいらっしゃいます
「三日恵比須神社」から、ぐるっと参道に戻って…。
参道の途中には鳥居が建っていて、その先に薬祖神・酒造神の少彦名大神(すくなひこなのおおかみ)を祀った「少彦名神社」があります。
…なぜこんな場所に?なぜこの神社だけほかの摂社・末社からも離れているの??
お社にはお供え物のワンカップがありました。
酒造りの神にワンカップ…。
健康になりたい。
天津神社

▲住吉神社の一の鳥居の目の前にある「天竜池」。鯉が泳いでました
最後、参道から住吉神社の外に出て「天津神社」に向かいます。
参道の目の前の道路をはさんですぐのところ。
この池は「天竜池(てんりゅういけ)」という名前で、かつて満潮時にはこの池まで海水が達していたことから別名「汐入池(しおいりいけ)」。
そしてこの場所、なんと伊弉冉尊が禊祓をした場所と伝えられています。
日本にいくつも存在する、「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原」のひとつですね。
ということは当然、ここは「住吉神社」の御祭神である住吉三神と天照大神が生まれた場所ということになります。
…事の真相はわからないけれど、こうやって各所に伝説が残っている(伝わっている)ということは、そう表現できるような出来事は実際にあったんだろうな、と漠然とだけど受け止めざるをえない。

▲池のなかのひょうたん型の島を進むと

▲石のお社が祀られていました
伊弉冉尊をお祭りする「天津神社」は室町時代以前からこの地に鎮座されている、と由緒書きにあります。
だからなのか、年季を入ったお社の存在感がすごい。

▲「天津神社」のお社
お社をよく見るとひょうたん型が2つかたどられています。
縁結び、家内安全のご利益があるそうなので…イザナギとイザナミを表していたりするんですかね?
それとも天竜池に浮かぶ(?)この“ひょうたん島”を模している?

▲参拝中はお社の奥にある木からカラスが見守ってくれていました。…もしかして見張られていた!?

▲立てかけられたハート型の石

▲お社の近くにある、樹齢500年を超えるとされる大楠
「八社巡り」を終えて、御朱印帳を受け取りに社務所へ

▲「住吉神社」の御朱印
大阪に行くなら「住吉大社」にお参りしたい→そしたらその前に福岡の「住吉神社」にお参りしておかなきゃ、から実行に移した今回の参拝。
正直、想像していたより境内が広かった。
広さの目安になるかわかりませんが、今回の「八社巡り」にかかった時間は約30分(ちゃんと測ったわけではないのであくまで参考記録ということで)。
福岡市内で、しかも博多区内にあってこの広さ。
さすが、全国の住吉神社の始祖(とする説もある)。
この日は10時から予定を入れていたため、後半は少し駆け足でまわってしまいました(世界が滅亡するかもしれない日だというのに予定を詰め込んじゃって…)。
きっと効率のいい「八社巡り」ルートはあるのでしょうが、少し時間に余裕をもって訪れるのがよさそうです(これから参拝される方々の参考になれば…)。
大阪の「住吉大社」も広そうだから、参拝のための時間はしっかり確保しておこう。
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