ハードオフで「ブズーキ 12弦」として売られていたこちらの楽器。絶対違うだろ!と思って調べてみたら「バンドゥリア」というスペイン由来の撥弦楽器でした。チューニングは低い方からG#、C#、F#、B、E、A、というところまではわかったんだけど、演奏方法はわからないまま購入。コードとかあるのかな? pic.twitter.com/TGcqzC6VME
— すずきひろた (@szkhrt_sslrf) October 8, 2018
さて、今回の記事はいったい日本の何人くらいが必要としている情報なんでしょうか。
先日偶然に出合い、そのまま勢いでお買い上げしてしまった弦楽器「バンドゥリア」について調べましたので、その成果を共有致します。
目次
どんな楽器?
バンドゥリア(Bandurria)、スペイン由来の撥弦楽器で、12弦6コースのものと、14弦6コースのものがあるみたいです。
ボディはポルトガルギター(ギターラ)に似た栗のような形で、背面はフラット。ネックはかなり短く、それに伴いフレットの間隔もかなり狭いです。
ちなみに、我が家のバンドゥリアのスペックはこちら。
- メーカー=不明(ヘッドやボディ内側にも記載なし)
- 全長=約60cm
- 木材=不明(詳しくないんです……)
- 弦=12弦6コース
- フレット=13フレット(0フレット含まず)
- ペグ=クラシックギタータイプ
弦について
「bandurria steele 12」で検索して出てきたのがこちらのパッケージ。amazonではヒットしない
ゲージは細い方から、010P、014P、019W、023W、030W、035W、で1コース2本ずつの計12本。Pはプレーン、Wはワウンド(巻き弦)です。
12弦ギターとは違って、複弦だけどゲージは同じものを張ります。マンドリンスタイルです。
とはいえ、近所の楽器屋はおろか都会の楽器屋でも「バンドゥリア専用弦、取り扱ってます!」なんて店はなかなかないのでは?だからといって、わざわざ個人輸入するのも手間だし。
調べたら各弦のゲージがわかったので(下記参照)、ギターの弦で代用も可能です。
【2021.8.29追記】一応、バンドゥリア専用の弦(12弦タイプ)はアマゾンで買えるみたいです。でも高いです。。
調べてみました
試しにマーティン弦。「SP Acoustic Phosphor Bronze」というのが一番ゲージのラインアップが多いっぽいので、これなら目的のゲージの弦が手に入るかも??以下参照。
- エクストラ・ライト(010、014、023、030、039、047):MSP-4000
- カスタム・ライト(011、015、023、032、042、052):MSP-4050
- ライト(012、016、025、032、042、054):MSP-4100
- ライト/ミディアム(0125、0165、0255、0335、0435、055):MSP-4150
- ミディアム(013、017、026、035、045、056):MSP-4200
- ブルーグラス(013、017、026、036、046、056):MSP-4250
- ハイ・チューニング(010、012、08?、013、017、025):MSP-HT10
- 12弦(010/010、014/014、023/010、030/012、039/018、047/027):MSP-4600
↓↓このなかからGETできる、バンドゥリアに使用可能なゲージはこちら↓↓
- 010=エクストラ・ライト、ハイ・チューニング、12弦(2セット同時GET可!)
- 014=エクストラ・ライト、12弦(2セット同時GET可!)
- 019=なし
- 023=エクストラ・ライト、カスタム・ライト、12弦
- 030=エクストラ・ライト、12弦
- 035=ミディアム
ということになるわけですね。「エクストラ・ライト」と「12弦」が優秀なのは置いておいて、やっぱり「019」がない!
ちなみに、我が家のバンドゥリアはというと。。。とりあえずその場しのぎで、安いギター弦の代名詞「Photogenic PE-600L(010/013/017/026/036/046)」から、以下のチョイスで装備しています。
- 1コース(010)=010
- 2コース(014)=013
- 3コース(019)=017
- 4コース(023)=不明(元から張ってある弦)
- 5コース(030)=不明(元から張ってある弦)
- 6コース(035)=不明(元から張ってある弦)
※カッコ内は本来のゲージ
楽器も弦もハードオフで調達、さらには近しいゲージで代用というゆるさでやってます。
店内でチューニング中に切れた1コースの弦を替えるついでに、お尻の側がサビていた2・3コースの弦は張り替えました。
4〜6コースの弦は新品に近い状態に見えたので、とりあえずそのまま張り替えていません。
ゲージは違えど、これでもチューニングはちゃんと合わせられていますので、よかったら参考にどうぞ。
(もしかすると、バラ売りのものを買うことが一番賢いのかもしれないです。安いのであれば1本60円〜だし、サウンドハウスでは)
チューニングについて
低い方から順に、G#、C#、F#、B、E、A、というのがバンドゥリアの一般的なチューニングです。
ギター(EADGBE)、ベース(EADG)、ウクレレ(GCEA)、マンドリン(GDAE)に比べるとなんだか複雑ですね。
開放弦でジャララ~ンと鳴らせば異国の響き。もうこれだけでもちょっと楽しいです。
ここでふと素朴な疑問。
ゲージ(弦の太さ)を紹介するときは高音(細い方)からで、チューニングを紹介するときは低音(太い方)から表記しちゃうのってどうしてなんですかね?どうして統一しないんですかね?
スマホアプリ「バンドゥリアチューナープロ」
なんとなく検索してみたら、驚いたことにバンドゥリアのチューニングに対応したスマホアプリ(有料)がありました。
このメーカー(?)、バンドゥリア以外にも三線とかマンドリンとかチャランゴとか、需要のありそうでなさそうな楽器に対応したチューニングアプリも出してますね。ある意味、すごい。。
ギター用のチューナーでもチューニングできるので、これを使うかはお好みで。
私はギターとベースはもちろん、三線、マンドリン、ウクレレ、そして今回のバンドゥリアのチューニングにもKORGのチューナー「GA-30」を使ってます。弦楽器にはこれ万能。
弾き方について
「コードで伴奏」ではなく、「単音でメロディ」のが基本のようです。いわゆる旋律楽器。マンドリンのようにチロチロチロ~っとトレモロ奏法で美しく奏でましょう。
Youtubeには、2~3コース使っての和音をはさみながらメロディを弾いている動画もあったので、技術を駆使すれば演奏の幅は広がりそうです。
というか、一般的なチューニングだと弦のテンションが高いこともあってコードをガシガシ弾けません。指が痛い!
バンドゥリアの歴史など
リュートから派生した撥弦楽器。英語版wikipedia(を日本語訳したもの)によると、1555年にはすでに誕生していたようですが、このころはまだ背面が丸みを帯びていて、弦も6コースではなかった様子。
スペイン由来の楽器ということで、旧スペイン植民地であるフィリピンやプエルトリコでもよく知られている楽器です。ラテンアメリカに現存する撥弦楽器「バンドーラ」は、このバンドゥリアが元になっている説あり。
現在のチューニングは18世紀末以来変わらないもの(トラディショナル!)。元々、弦には動物の腸、ピックには亀の甲もしくはバッファローの角を使用していたとか。ペグがクラシックギタータイプなのはその名残かな?
★参考にさせていただいたサイト様(敬称略)
- MB550 Bandurria | La Bella Strings
- 斎藤誠がマーティン弦を徹底検証! SP Acoustic & SP Lifespan|連載コラム|Martin Times It’s a Beautiful Day【デジマート・マガジン】
- バンドーラの歴史 – TuCuatro (JP)
- Authentic Acoustic SP®
- 世界民族楽器交遊録:田代耕一郎 Tassi
- プエルトリコからTUNAが来た! : プエルトリコの風 / Viento desde Borinquen
- トゥナ&フラメンコ
- Bandurria – Wikipedia
- かなり面倒です! | .045 .065 .085 .105
- TOMATO atelier of music フィリピンの楽器
- 草と機器日記 バンドゥリアBandurria
辺境の日曜音楽家。フトアゴとレオパ。鈴木絢音さん推し。※ゲーム実況はやっていません|https://lit.link/lrfr