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同い年の「MARTIN D-35」を見つけた話/「ASTURIAS」のアコギの◯◯が気になって

 

昨年は2本のギターを人に譲り、3本のギターを売りに出し、2本のギターを購入した。2023年は自分史上、一番手元のギターの出入りが激しい1年だった。

手に入れた2本(アコギ、エレキを1本ずつ)でかなり満足感を得たこともあり(この2本についてはそのうち紹介します)、「2024年はギターは買わない!」と年が明ける頃には決めていたものの、「デジマート」や「Jギター」を眺めているとついつい気になる代物が目がいってしまうのがサガというもの。サーガが始まってしまう。

2024年1月。「デジマート」で自分の生まれ年に製造された「Martin D-35」を見つけてしまった。同い年のギターというのはいつの頃からか憧れるものがあって、そういえばこれは誰の影響なんだろう?その「D-35」は、写真を見る限りは傷も目立っておらず、悪いものではなさそうだった。

しかし!アコギとなればエレキ以上に実際に弾いてから購入の可否を決めたいところなのだが、出店していたのは大阪のお店。交通費だけで数万が飛んでしまう。それならなあ、とこれは見送ることに。勢いで行けなかったことも含めて、この一本とはたぶん縁がなかったのだろう。

それからしばらくはほぼ毎日のように「D-35」掲載ページを閲覧していたが、数週間後に「ご指定のページは見つかりません」と表示されるようになった。

同い年のギターもそろそろビンテージと呼ばれだしてもおかしくない状況で、そうなると値段は年々上がっていく。価値のあるギターはどんどん海外に流れていく。自分自身の価値はビンテージと呼ばれだしてもおかしくないほど上がっているのだろうか。怪しいかも。あら、悲しい。

正直、アコースティックギターはすでに数本所持しているので、新しく買い足す必要はまったくない。主たる事業ではないものの、仕事として音楽にも手を出しているので、楽器を経費で落とすことはできるのだが、手持ちの現金が減ることには変わりない。わざわざ急いで数十万円もお金を使う必要はない。

…と、頭ではわかっているつもりだが、“同級生マーティン”との別れから数日後、今度は「ASTURIAS」という久留米ギターが気になってしまい、思い立ったその日に福岡県久留米市の楽器店に行ってきた。県内、うっかり気軽に行けてしまう距離と時間と交通費。

ASTURIASのアコギへの興味は、音ではなくネックの形状にあった。というのも、ネットで見かけた情報によると“ゆるくVシェイプ”らしいのだ。2024年に我が家にやってきた2本のギターのうちの1本「Recording King Carson Robison Model K(1939年製)」が年代からお察しの通り“ガッツリVシェイプ”なので、これとどれくらい違うのか、実際に触ってみたくなったのである。

気になっていたのはアコギの「ESシリーズ」。実際に久留米の楽器店では「プリウォー」「カスタム」「プロ」を1本ずつ試奏させてもらったのだが、これが全然Vシェイプ感がない!若干厚めのCシェイプという印象で、好み。これがま弾きやすいこと、弾きやすいこと。音は個体差もあるのかもしれないが、このとき弾いた3本だとネックの握り心地も含めて「プロ」にスーを差し上げたい。

とはいえ、この日は購入するつもりは完全にゼロ。「ASTURIAS、あるなあ…」などと思いつつ、その素敵な弾き心地をしばらく味わってから退散、まっすぐに駅へと向かってタイミングよくやってきた電車に乗り込んだ。終点の西鉄天神駅で降り、グルメ風月の「ビーフバター焼き」をテイクアウトし、いろんな意味で無事に帰宅したのだった。

(つづく)

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